7.3 逓増定期保険の活用法

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7. 法人契約の生命保険の活用

7.3 逓増定期保険の活用方法

逓増定期保険は、長期の定期保険の一種で、年齢が高くなるほど段階的に死亡保障額がアップするタイプで、死亡リスクが高まる人生後半のニーズにあった合理的な保険です。

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逓増定期保険は、長期平準定期保険と比較されることが多いですが、際立った特徴は節税効果が高いことです。
逓増定期保険は、長期平準定期保険より早く節税効果が現れます。
節税効果が高いために何度かの税制改正により規制が入っています。

逓増定期保険の特徴のもうひとつは、長期平準定期保険と比較して解約返戻金のピークが早くかつ短いことです。
これはスピードを重視する会社経営者から支持される理由となっています。

逓増定期保険は、満期まで継続というより、解約返戻金のピークで解約するキャッシュフロー重視のプランニングが主流です。
逓増定期保険の加入には、節税効果と解約返戻金ピーク時期を考えたプロによる綿密なプランニングが不可欠といえます。

逓増定期保険活用法
会社の節税対策として 利益対策としての効果は最も高くなります。

想定よりも多く利益がでる場合には、対象となる逓増定期保険を契約し、期末に年払いで保険料を支払えば、1/2を損金にできます。
例えば、保険料1,000万円、法人実効税率30%とすれば、150万円の税金を少なくすることができます。
この節税される150万円は内部留保されるため、会社の経営体質の強化につながります。
ただし、1/2の損金は一定の場合に限られ、期間満了時年齢等に応じて、1/3損金や1/4損金と節税効果が下がるため注意が必要です。

会社が資金繰りに困ったとき 契約した後に資金繰りが苦しくなった場合、契約者貸付を事業資金に充てることができます。

契約者貸付は、金利が低く、解約返戻金の90%の範囲内で受けられる有利な制度です。
逓増定期保険は解約返戻金の積み上がりも早いため、比較的早期からまとまった金額の貸付を受けられます。

会社の利益確保の財源として 取引先からの受注のため、あるいは借入金を安定的に受けるため、会社は黒字でなければなりません。

一時的な業績不振になっても、逓増定期保険を解約して利益を捻出し、黒字化することが可能です。
逓増定期保険は解約返戻金の積み上がりも早いため、比較的早期から利益を捻出することも可能です。

社長の退職金の財源として 社長の引退のタイミングに合わせて、逓増定期保険を解約する方法です。

社長の退職金は高額ですから、退職金計上で会社が赤字になったり、資金準備をしなければなりません。
逓増定期保険の解約により利益の捻出と退職資金準備の両方の解決策となります。
なお、逓増定期保険の場合、節税効果を含めた実質返戻率は、長期平準定期保険よりも早く到来するため比較的短期間での対策が可能です。
ただし、解約返戻金のピーク期間が短く、その期間超えると急速に戻りが悪くなるので、タイミングを逸しないことがポイントです。

社長の万が一によるさまざまなリスクに備える 社長の万が一があると、会社や遺族は困難な事態になるリスクがあります。

取引先がいままでとの取引を変更したり、銀行が融資を削減することがあり得ます。 社員にも動揺が拡がり会社継続の危機となる可能性もあります。 さらに社長の給与は無くなるため遺族は生活に困ることも考えられます。
社長の万が一の場合に会社に保険金が入れば、保険金を会社の事業資金として使うことも、死亡退職金として社長の遺族に支払うこともできます。
逓増定期保険は、社長が年齢が高くなると保障額が増えるタイプのため、本来の死亡リスクに対して合理的な備えになります。

相続税対策として 遺族に支払われる死亡退職金は、生命保険金の非課税と同様の扱いで、かつ別枠となります。

遺族は個人契約でかけていた生命保険の非課税枠に加えて、会社からの死亡退職金の非課税枠も使えるので、相続税対策としてダブルの効果があります。逓増定期保険は、社長が年齢が高くなると保障額が増えるタイプのため、本来の死亡リスクに対して合理的な備えになります。

相続の納税資金対策として 相続税の納税資金準備とは、遺族が持つ会社株式を会社が買い取り、遺族はその売却代金でもって相続税を納税する方法です。

この方法のメリットは、遺族の持つ会社株式が他に分散することにより会社経営の混乱を避けることができること、遺族が売却した場合の税金が源泉分離課税20%ですみ税負担が少ないことにあります。

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